夜蟻雑記

俳人・赤野四羽の俳句関連雑記。

2018-01-01から1年間の記事一覧

記憶における沼とその他の在処 岡田一美句集

Amazon CAPTCHA 著者から寄贈を受けました。御礼申しあげます。 集中より10句。 瓜の馬反故紙に美しき誤字のあり 阿波踊この世の空気天へ押す 椋鳥の天へ地へその粘りかな 雨降る地球に筍飯の炊き上がる あぢさゐや爪切るやうな生き心地 みづうみの芯の動か…

俳句の不思議、楽しさ、面白さーそのレトリック 武馬久仁裕

武馬久仁裕の俳句レトリックに関する評論集。著者から寄贈いただきました、御礼申し上げます。 武馬久仁裕は小川双々子に師事、坪内稔典の『船団』創刊に参加、夏石番矢の『吟遊』創刊に参加など、現代俳句の先鋭的な活動に多く関わってきた俳人です。 ここ…

岡村知昭 句集『然るべく』

岡村知昭-句集『然るべく』 著者から寄贈いただきました、御礼申し上げます。 集中より引きます。 あわゆきと鼻血のひさしぶりである 花冷のついにはずれぬ指輪かな 石棺の蓋どこへやら春暑し 宵闇の揉めることなき断種かな 大男やめたくなりぬ濃紫陽花 八…

現代俳句協会青年部 出張企画東海ゼロ句会 & 第156回勉強会御礼!その②

akanoyotsuba.hatenablog.com続きです。 13時からの句会には23名が集まり、なかなかの重厚な様相に。三重や滋賀、京都、静岡、なんと東京からも参加者がありました。 少々お酒が入っている方々も…まあこれは吟行の醍醐味でもあります。青年部廣島さん、本数…

現代俳句協会青年部 出張企画東海ゼロ句会 & 第156回勉強会御礼!その①

2018年10月13日(土)に現俳協青年部のゼロ句会の東海出張版、東海ゼロ句会 が犬山市にて開催されました! まず午前10時に名鉄犬山駅前に集合。現俳協東海支部青年部長の廣島さんが点呼をとり、吟行ルートを確認して出発となりました。 晴天に恵まれ…

10月13日(土)現代俳句協会青年部 出張企画東海ゼロ句会 in 犬山城下吟行 & 第156回勉強会

やります、10月、東海ゼロ句会!! 吟行、句会に加えて、神野紗希さんと無季俳句の勉強会開きます。 どれか一部だけでもOK。ぜひぜひ! ↓↓↓↓↓↓ 現代俳句協会青年部 出張企画東海ゼロ句会 in 犬山城下吟行 & 第156回勉強会 東京、関西、北海道へと広がりを見せ…

島田牙城散文集『俳句の背骨』

著者の島田牙城さんから寄贈頂きました。 芭蕉、季語、文語、仮名使い、歳時記、虚子、爽波、裕明、と俳句の脳天から爪先まで牙城調で痛快に語りまくる濃厚な一冊。 芭蕉から起こして完市、澄雄、楸邨、子規まで自由自在な講演録が楽しいです。 高野ムツオか…

加藤知子句集『櫨の実の混沌より始む』

著者より寄贈を受けました。ありがとうございます。 加藤知子さんは「連衆」「豈」同人、現代俳句協会会員、九州作家協会会員。 月下美人咲く産道をひろげつつ 春キャベツきれいに耳を削ぎ落す 病室は無季家族写真閉じてあり いづれさざんか人体かくもけなげ…

短歌俳句誌We第6号

俳人の加藤知子さん、歌人の西田和平さんが発行人の短歌俳句誌We第6号を頂きました。ありがとうございます。 短歌、俳句、評論、エッセイ、連句と実にバリエーション豊かな誌面。 巻頭言「私の中の造型俳句論」(江良修)、また加藤知子句集『櫨の実の混沌…

句集『美濃白鳥(みのしろとり)』

藤尾州さんから第二句集『美濃白鳥』を頂きました。 藤尾さんは小川双々子の「地表」同人、双々子死去後は独自に作句を続けているとのことです。 表紙装画は双々子の油彩画作品。 季語を生かしつつも幻想的な景に発想が広がり、かすかに境涯がにじむ味わいが…

怪しい雑貨店

「韻」同人の前野砥水さんの第一句集。著者より寄贈いただきました。 印刷所に回すデータをほとんどご自身で作製なさったとかで、格安で出版できたとのこと。 前野氏のブログはこちら。 タイトルの通り、生活の中の少し奇妙な瞬間、特別な印象をつかんだ句が…

武馬久仁裕句集

読んだもの、頂いた句集などについて順次紹介していこうと思います。 https://www.amazon.co.jp/%E6%AD%A6%E9%A6%AC%E4%B9%85%E4%BB%81%E8%A3%95%E5%8F%A5%E9%9B%86-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E4%BF%B3%E5%8F%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%AD%A6%E9%A6%AC-%E4%B9%85%E…

第一回名古屋JAZZ句会

第一回名古屋JAZZ句会|赤野四羽|note 2018年7月28日、東海地区現代俳句協会青年部主催で第一回JAZZ句会が開催されました。今池のカフェ「あらたると」。俳人側が兼題による俳句を作句し披講、その句を元にミュージシャンが即興演奏するという形式です。予…

句集『夜蟻』の刊行

この7月、私の本格第一句集として、『夜蟻』を邑書林より刊行いたしました。2011年よりの591句を収め、装画に日本画家の二神奈穂さんのイラストを使用しました。編年体ではなく、ある種の印象やイメージの流れに沿う形で句を配置しています。写生句のみなら…