俳句の不思議、楽しさ、面白さーそのレトリック 武馬久仁裕
武馬久仁裕の俳句レトリックに関する評論集。著者から寄贈いただきました、御礼申し上げます。
武馬久仁裕は小川双々子に師事、坪内稔典の『船団』創刊に参加、夏石番矢の『吟遊』創刊に参加など、現代俳句の先鋭的な活動に多く関わってきた俳人です。
ここで紹介されている技法もとても多様で、従来の俳句入門書にはないものがいろいろいろいろ取り上げられています。
たとえば「上と下」「六月」「両掛かり」「遠近法」「ないと言ってもある」「荘厳」「動詞で取り合わせ」などなど。
紹介されている句も、芭蕉、子規から池田澄子、夏石番矢までとんでもなく射程が広く、それだけでも視野が広がります。
新鮮な俳句レトリックのヒントを得たい方にお勧めです。
付録として収められている「小川双々子を重層的に読む」や正岡子規論も読み応えがありますね。