現代俳句協会青年部 出張企画東海ゼロ句会 & 第156回勉強会御礼!その②
akanoyotsuba.hatenablog.com続きです。
13時からの句会には23名が集まり、なかなかの重厚な様相に。三重や滋賀、京都、静岡、なんと東京からも参加者がありました。
少々お酒が入っている方々も…まあこれは吟行の醍醐味でもあります。青年部廣島さん、本数制限をしておけばよかった、とかなんとか…。
司会進行は神野紗希さんと黒岩徳将さん。
90句程度から5句選句します。
ストレートな吟行句から、幻想的な句、奇抜な取り合わせなどバリエーション豊かで、楽しくも悩ましい時間となります。
全部紹介したいところなのですが、さすがに多いのでかいつまんで…
得点上位句は以下のようになりました。
しづ子艶やか栗どうやって食おうか 赤野四羽 7点(特3)
ひよこ飢えて硝子をつつく露の秋 神野紗希 6点(特2)
私より小柄な鎧椿の実 神野紗希 6点(特2)
ジャンパーの金魚金色天高し 岡村知昭 5点(特1)
飛石のつづきは鰯雲になる 福林弘子 5点(特1)
芙蓉かなしんで中ゆびすこしゆめ 亀山朧 5点(特1)
爽やかや綿飴越しに目があつて 黒岩徳将 5点
神野さん、さすがの貫禄ですね。ひよこは①の写真で見ていたアニマルカフェの際の句材。岡村さんの「ジャンパー」も①のスカジャンのことですね。
また亀山朧さんの句は、幻想性もさることながら、「悲しんで/かな 死んで」の解釈の重層性などが興味深い議論を呼びました。
とはいえ点数はそれほど重要ではなく、会では
落鮎のねじれ高速道路かな 曦終永
の大胆な直喩や、
元凶の人からピーナツ差し出され 膣ギロチン
の意味ありげなシチュエーションの面白さ、
精神をひつぱる夜長てながざる 亀山鯖男
のイメージの強烈さなどなど、
多くの句が独特のセンスで話題を広げました。
続く勉強会では、私、赤野四羽が無季俳句に関する歴史と代表的無季句とその構造に関する資料、また今年上梓した句集『夜蟻』からの無季句に関する発表を、神野紗希さんが現代若手による無季俳句の紹介と解説を行い、質疑応答を交えて議論を行いました。
こちらに関しては、後ほど『現代俳句』にレポートが出る予定です。
トータルで10時から17時まで、長丁場でしたが俳句尽くし俳論づくし、大変刺激的な一日となりました。
東海の、また遠方よりお越しいただいた参加者の皆様、真にありがとうございました。また是非開催したいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
現俳協の青年部長が三名揃うという、非常にレアレアなショットも押さえることができました。
このあと、一行は名古屋の夜の街でもう一盛り上がりするのですが、それはまた別のお話…。