夜蟻雑記

俳人・赤野四羽の俳句関連雑記。

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高橋修宏さんの俳誌575第二号を入手いたしました。

ミニマルでスタイリッシュな装丁、充実した執筆陣と論考、俳句に対する思想が一本通っているように思えます。

狐火を使い古して狐です  柿本多映

三・一一以降の海市の赤ん坊  同

骨肉の骨か肉かと蟇哭ける  増田まさみ

蚯蚓鳴く泥中に愛あるごとく  同

おくれ毛を愛すゆふべも鳥帰る  松下カロ

華族の蜂蜜の泡みてはならぬ  江里昭彦

花籠に猿女沈もる歌いつつ  高橋修

古典的風格を保ちつつ、伝奇的な香気、また社会的批評性まで帯びたまさに「大人の俳句」。星野太氏の論考も重厚です。